ゴンドワナ多雨林群
GONDWANA RAINFOREST OF AUSTRALIA
Photo by Tourism and Events Queensland
世界自然遺産の森
Natural World Heritage
オーストラリアの
ゴンドワナ多雨林群
孤立した大陸 オーストラリアに 今なお残る太古の森
オーストラリアの
ゴンドワナ多雨林群
オーストラリア・ゴンドワナ多雨林群はクィーンズランド州南東部とニューサウスウェールズ州北東部にまたがる約37万ヘクタールの大森林地帯。50以上の保護区があり、16カ所の自然資源が一括して世界遺産に登録された(登録年1986年、拡張年1994年)。 亜熱帯、乾燥、温帯、冷帯のそれぞれに属する植物が植生する珍しいエリアとなり、世界最古のシダ類や170種を超える絶滅に瀕した植物群など、貴重な植物を数多く見ることが出来る。また、約37種のコウモリ、約270種の鳥類、約75種の哺乳類なども生息している。
孤立した大陸
オーストラリア
オーストラリアは、何億年も前はゴンドワナランドと呼ばれる超大陸の一部であった。この巨大大陸には、現在のアフリカ、中東、南アメリカ、インド、南極、オーストラリア、ニュージーランドが含まれていたと考えられている。約6,500万年前この大陸は、南極大陸と分裂。その後、北上するも他の大陸とはぶつかることなく、約5,500万年前にニューギニアと切り離され、オーストラリア大陸は孤立した。
オーストラリアに
今なお残る太古の森
約5,000万年前、オーストラリアが他の大陸と離れ孤立した頃は国土面積の100%が多雨林で覆われていた。ところが北上するにつれて乾燥化が進み、熱を帯びた風が吹き荒れ、自然発火を頻繁に起こしオーストラリアの生態に変化を与えてきた。自然発火することで種を地面に落とし、芽吹しながら子孫を繁栄させるユーカリ属や、有袋類の育児のうの発達は、山火事の多いこの地でも子孫を残していけるように進化したものと考えられている。 現在、オーストラリアの国土は約85%が水のない涸れ川、塩湖の残る砂漠や土漠となり森林面積はわずか約5%、さらに多雨林の面積は0.3%未満しかなく、希少種及び絶滅危惧種の動植物が生息しており、太古の時代から生息している脊椎動物や無脊椎動物が発見されている。進化できずに残された動植物や環境に適応することで生きながらえた動植物たちの太古の森がここにある。 オーストラリア・ゴンドワナ多雨林群は、1億3,000万年ほど前のゴンドワナ大陸から続く世界最古の森の姿を垣間見ることができる大変貴重な場所である。